「生誕1000日見守り隊」とは

「出産の前後は人が人生の中で、最も助けを必要とする時期」といわれてきました。だから人は、長い歴史の中で様々な形で、助け合って出産や子育てをしてきました。

 

しかしながら、社会の変化(近代化・産業化)の中で、人と人のつながりは希薄となり、同時に出産や子育ては家族・両親が担う、プライベートなものと考えられるようになりました。なかでも、「子育ては母親の役割」との意識が強くなりました。その結果、親御さん(特にお母さん)が手助けしてくれる人がいない、相談できない中で子育てをする、いわゆる「孤育て」と言われる状況が生まれました。

 

 

その解消のために、行政をはじめ多くの人たちが様々な取り組みと努力をしていますが、いまだ十分とは言えません。そもそも、それらの状況を解消するには特定の立場の人が頑張ればいいというものではなく、社会全体で取り組まなければならないのだと考えます。

 

私たちの研究グループには、様々な分野の研究者がいます。そのそれぞれの専門を活かして、「孤育て」という「困難」はどうすれば軽減できるだろうか、と考えました。

 

プライバシーの壁があるなら、それを保ちつつ超えてつながる可能性を持つ、Society5.0のテクノロジーが有効ではないか。妊娠期や子育てにまつわる知識が伝承されなくなり、お母さんの健康や子供の状態についての判断が難しくなったなら、必要なデータを収集し、最新の知見も加えた新たな仕組みの中で、それぞれの人が判断できる仕組みを作れないか、など。

 

 

そして何よりも、最新のテクノロジーだけではなく、身近なところで誰かに見守られ、応援されていて、妊婦さんも、赤ちゃんを連れた親御さんも安心できる環境を創る必要がある、と考えるようになりました。

 

そこで、「生誕1000日見守り隊」を募集します。身近なところで妊娠中・子育て中で困っている親御さんがいないか、少し気をつけてみてください。そしてバッジをつけて応援しているよ、という意志を示していただけるとありがたいです。